10年来のアニメファンが語る
劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」
──今回は松村さんがモデルを務めるR4Gと劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel](以下[HF])」のコラボレーション企画になります。松村さんは以前から「Fate」という作品をご存知でしたか?
松村 はい、テレビアニメ「Fate/Zero」や「Fate/stay night [Unlimited Blade Works](以下[UBW])」など、「Fate」シリーズの作品には以前から触れていました。アニメの制作を手がけられるufotableさんの作品ということで言うと、劇場版「空の境界」も観させていただきました。
下屋 そんなに観てくださっているとは、ありがとうございます!
松村 ずっと観てました(笑)。私は本当にアニメが大好きで、体の8割がアニメで出来ていると言っても良いくらい、アニメと一緒に生きてきました。だから今日はこのような機会をいただけて、本当に嬉しいことだなと思っています。
──アニメが趣味になったのは、いつごろからなのでしょうか?
松村 うちは家族がアニメを観る家だったので、もともと生活のすぐそばにアニメがありました。自分自身で意識をして、アニメを見よう!と思ったのは、小学校五年生くらいからだったと思います。
──当時、好きだったアニメの作品は何でしょうか?
松村 私がアニメを好きになったのは、もともとアニメが好きだった姉の影響も大きいと思います。姉とときどき深夜まで起きて、一緒にアニメを観ることもありました。当時は「まほらば~Heartful days」という作品がすごく好きだったのですが、そのことを学校で話しても、あまり皆には伝わらなくて。少数派なんだ!と感じたことを覚えています。
──劇場版「Fate[HF]」第一章もご視聴いただいたとお聞きしましたが、印象に残っているシーンについてお聞かせください。
松村 まずはアクションシーンの迫力が凄まじかったです。セイバーとバーサーカーが戦うシーンで(衛宮)士郎が負傷する描写は、とてもリアルに迫ってくる感じがあるなと思いました。ランサーと真アサシンのアクションシーンも凄かったですね。だけど一番印象に残っているのは、(間桐)桜の描き方です。[UBW]の桜は日常の象徴というか、笑顔が印象的でしたけど、[HF]の桜は全然描き方が違う。とてもダークというか、闇を秘めているように感じました。
下屋 確かに冒頭、桜が衛宮邸を訪れるシーンなどは、暗いイメージがありますよね。
松村 そうなんですよ!桜の目に光が無くて……[UBW]の桜は士郎を献身的に支える後輩として描かれていましたけど、今回の[HF]はそれだけではないんだなと思いました。
──これまで観てきた「Fate/Zero」や「Fate[UBW]」を経て、「Fate[HF]」をご覧になったときに感じたことはありますか?
松村 劇場版はやっぱり凄い!と思いました。もちろんこれまでのufotableさんの映像も素晴らしかったのですが、劇場版はスペシャルバージョンというか、とても高いクオリティだなと感動しました。
──松村さんの話をお聞きになって、下屋さんはどのような感想を持たれましたか?
下屋 劇場版「Fate[HF]」第一章を振り返ると、やはり桜の中学生時代のエピソードなど、原作の要素をふくらませたシーンが印象的だったように思います。その部分を松村さんからも印象に残っているシーンとして挙げていただけたのは、すごく嬉しいですね。士郎と桜の出会いから描くことによって、この物語のスタートはここなんだということを、視聴者の皆さまに伝えられたような気がしています。丁寧に描かれた日常があるからこそ、それが崩壊してしまうことの切なさが分かる。間桐桜を演じた声優としても、冒頭はすごく大切なシーンだったなと。
ファッションによって広がる
新しいアニメーションの世界
──R4Gはアニメ×ファッションをテーマにしていますが、ご自身が好きなアニメをファッションとして纏うことについて、ご感想をお聞かせください。
松村 昔はやはりアニメを観ていることについて肩身の狭い部分がありました。だからこそ今、お仕事としてアニメファッションを着させていただいていることは、とても誇らしいことだなと思っています。私もファッションという形で、アニメというコンテンツの幅を広げる手助けが出来ているのかもしれない、アニメを好きになる方のきっかけを作ることが出来ているのかもしれない……それは私のようなアニメ好きにとって、とても嬉しいことだなと感じています。
──普段からアニメのコラボ服を着ることもあるのでしょうか?
松村 着ます!どちらかと言うと、アニメのコラボ服であることが分かりやすいデザインのものを着ることが多いですね。そうするとグループのメンバーに「それアニメの服?」と聞いてもらえるんですよ。そしたら私は「このアニメはですね……」と布教するわけです。
──近年のアニメとファッションの融合について、下屋さんはどのように感じられますか?
下屋 昔はアニメの服というと、キャラクターの画がプリントされているだけのものが多かったかなと思います。ですが最近は普段着できるようなファッション性の高いものが増えてきていて、よりアニメを身近に感じることができる環境になってきたのかなと。先ほど松村さんのビジュアル撮影風景を見せていただいたのですが、すごくクオリティの高いものに仕上がっていると感じました。きっとファンの皆さんも格好いいなとか、この服を着てみたいなとか、そういう感想を抱かれるのではないかなと思います。
──乃木坂46の松村さんが「Fate[HF]」の服を着るというコラボレーションについて、どのような印象がありますか?
下屋 松村さんのように人気のあるアイドルの方にモデルをしていただけるということは、作品にとって素晴らしいことだと思いますし、世間的にもアニメに対する考え方がかなり変わってきたのかなと感じます。今日はすごく貴重な現場を見せていただいたなという思いですね。
──そして2019年1月12日(土)に第二章が公開となります。最後にファンの皆さまに、一言メッセージをいただけると幸いです。
松村 私自身、すごく第二章を楽しみにしていますし、きっと面白いものになるに違いないと思います。今回のコラボレーションのモデルとしては、まずファッションが好きな方に、このアニメ×ファッションという形を楽しんでいただけると幸いです。そしてファッションだけでなく、そのもととなった劇場版「Fate[HF]」を楽しんでいただけると嬉しいですね。
下屋 この「Fate」というシリーズはゲームや小説、アニメやドラマCDなど、さまざまな形で展開を重ねてきました。そうした「どこから入っていただいても楽しめる」という点が、作品のもつ魅力のひとつかと思います。そして今回は新たに「ファッションから入る」という新しい形もあるのだなと思いました。この記事を読む方の中には、ファッションが好きな方はもちろん、松村さんのファンの方や、乃木坂46さんのファンの方もいらっしゃると思います。今回のコラボレーションが、そうした皆さまに「Fate」を知っていただく機会になるなら、それは本当に素敵なことだなと感じています。いよいよ公開となる劇場版「Fate[HF]」第二章は、本当に胸を張って皆さまにお届けできる、素晴らしい作品に仕上がっています。是非、劇場でお楽しみいただけると幸いです。
(プロフィール)
松村沙友理(まつむら・さゆり)
大阪府出身。乃木坂46の1期生として2012年「ぐるぐるカーテン」でCDデビュー。
出演作に映画「あさひなぐ(2017)」紺野さくら役、
テレビドラマ「賭ケグルイ Season2(2019)」夢見弖ユメミ役など。
最新シングル「帰り道は遠回りしたくなる」では選抜メンバーを務める。
下屋則子(したや・のりこ)
千葉県出身。81プロデュース所属。
2006年にテレビアニメ「Fate/stay night」にて間桐桜を演じる。
以来、さまざまなメディアにて間桐桜役を担当。「Fate/EXTRA CCC」ではBB役、
「Fate/Grand Order」ではBB役のほか、パールヴァティー役を演じた。